視覚の発達がうまくいっていない3つの理由
子供の近視について悩む親御様もおおいい時期になりましたが、なぜ視力が悪くなるのか?
実は、視覚の発達に問題があるかもしれません。
その問題の中でも3つをあげておきます
1:生まれてから視覚の遠近運動を発達段階であまりしてこなかった
2:原始反射によって不随的に筋緊張が身体で起こっている
3:視機能ができる前に近くばかりみていた
赤ちゃんは、周りの世界に能動的に働きかける能力を備えて生まれてきている
視覚認知の基礎になる能力は、生まれた瞬間から学習されていきます
。
赤ちゃんは、抱いている人の腕の中にちょうど納まるように、自らの体を安定させることができます。
そして、教えなくても頭でお母さんの胸元をまさぐるようにして、お乳を探します。
産まれたばかりの赤ちゃんは目は見えていませんが、しっかりと反射で自分の生命を守ることを身につけています。
生まれて間もない赤ちゃんの視力は未熟ですが、たまたま目が対象をとらえたり、視界に変化があると、そちらの方に視線を留めます。
動いているものや人を目と頭の動きで追うのです。
生後2ヶ月にもなると、お母さんの顔など、意味のあるものを認識することが可能になります。
生後3~5ヶ月には人同士で視線を合わせ、見つめることができるようになります。
この見つめあいを通して、赤ちゃんは、お母さんをはじめとする周囲の人との自発的なコミュニケーションの基礎を築いていきます。
視覚は単に物を見るだけではなく、私たちの内面に深く関係するコミュニケーションにも大切な役割を果たすのです。
ここで目を合わさない、興味を引かないようであれば異変のサインかもしれません。
視覚と身体感覚には深い関係が
赤ちゃんには、新生時期から生後4~5ヶ月ころまで、原始反射と呼ばれる不随意運動が見られます。
この原始反射が出現していないことは異変のサインです。
原始反射がなくても良いということはないので担当医師に相談しましょう。
では、主な原始反射に、非対称性緊張性頸反射(Asymmetrical Tonic Neck Reflex)と呼ばれるものがあります。
この反射では、赤ちゃんの頭が、左右どちらか一方に向けられると、向いている方の側の手足は、伸展し、反対側の手足を縮める傾向が見られます。
この反射は、赤ちゃんが自分の腕の動きを決定していく過程で、重要な役割を果たします。
赤ちゃんが伸ばした自分の腕の先、つまり手を見ることを自然に促すからです。
赤ちゃんの世界は、まず自分の腕の長さまでの世界へ広がっていきます。いわゆるコンフォートゾーンで、この世界までのものに興味を引かれます。ですから良くベットやベビーカーにジャラジャラするおもちゃをつけますが、あれで赤ちゃんに興味を持たすことで聴覚や触覚、視覚を育みます。
将来、目で見ながら手で作業するために、まず自分の手を発見し、それを動かすことによって外界へどう働きかけることができるかを学ぶのです。
しかし、非対称性緊張性頸反射は生後6ヶ月以降残存している必要はありません。
赤ちゃんは、自分の身体を徐々に自分の意思で動かし、それによって外界に働きかけていく必要があるからです。
それには、あらゆる方向の遠方の世界も認知できなくてはなりません。反射的な反応ではなく、自分の意思によって、自分の手がある方向とは別の方向にも、頭や目を向ける必要があります。
身体の部分は、必要に応じて独立して動かせることが重要になります。
しかし、この反射が実は残存しているお子さまが急増しております。
それが、視力低下を招く原因の一つにつながるのです。
こうしたことで自発的に筋肉と関節を使う身体感覚が、赤ちゃんの脳に伝えられ、徐々に利き手、利き足などが決まります。
こうした原始反射がいつまでも残存していると、円滑な眼球運動だけで見たい方向の対象を見られません。
いちいち頭や手足など、全身の不随意な動きを伴わなければ、振り向けないといった非効率的なことが起きます。
子どもの発達において、視覚をはじめとする知覚と身体運動の感覚が、うまく統合していない場合、こうした反射がいつまでも現れることがあります。
また、身体の発達において、目と頭を支える頸は、赤ちゃんが人生の初期のうちから自分でコントロールできる体の重要な部分です。
頭が安定していないと、見ようとする対象も視野の中で安定しません。視覚から取り入れた世界のイメージも不安定になり、その空間は安心できるものではなくなってしまいます。
この頸がうまく育んでいないことで、様々な問題が生じます。
人が体全体で活動するとき、視覚情報を駆使して状況を認識することで、適切で安全な運動や行動が可能になります。
この身体の活動には、主に手先の作業をするような微細運動と、体全体と動かす粗大運動との二つがあり、どちらの運動も、視覚による認知能力の影響が欠かせません。
しかし、近年の子供たちはゲーム・スマホと微細運動を行うことばかりで粗大運動が身についていません。
微細運動はスモールピクチャーと呼ばれ、いわゆる近見ばかり見、詳細情報が得意ですが、粗大運動はビックピクチャーと言われ遠見になり、全体像が得意であり、コミニケーションもこの粗大運動から成り立ちます。
しかし、詳細情報が得意なので顔の表情を読み解く力が弱く、いわゆる空気が読めない子、自分のことばかりしか考えられない子供になってしまうリスクが上がります。
視覚の発達は、産まれたときから始まり、およそ12~13歳ころに大人と同じような機能に
赤ちゃんは、見るもの感じるものすべてを調節して、毎日一瞬も休まず発達していきます。
誕生時 | 目的はなくに眼球を動かす。 |
生後2週時 | 光るものを50cmほど近づけると、両目で見ようとする。 |
生後5~6週時 | ある程度の固視が可能になり、大型の玩具のようなものを見つめるようになる。 |
生後2ヶ月 | 人や手の動きを目で追うようになり、輻輳、開散が可能になる。 |
生後3ヶ月 | やや小さなものを目で追えるようになり、同時に頭もその方向に動かすことができるようになる。 |
生後4ヶ月 | 自分の手をじっと見つめたり、物に手を差し出す。(頸がすわり、頭を持ち上げることができるようになる。) |
生後5ヶ月 | 座っている範囲の物に頭をむけ、それを見て、探索する。 |
生後1歳 | 輻輳、開散を保つ時間が長くなる。(立つことができ、歩き始める。) |
生後2歳 | 視力が0.5くらいになる。かなりの正確さで他覚的視力の測定ができるようになる。眼運動反射は精密になってくるが、しかし、この時期にわずかでも疾病や障害が加わり、眼を使用していないと消失してしまう。 |
生後3歳 | 視力0.6~0.7くらいになる。眼運動反射はさらに安定してくるが、やはり眼を使わないと消失してしまう。 |
生後4歳 | 両眼視する視機能は完成に近づく。眼を使わないとある程度損なわれるが、消失することはない。 |
生後5歳 |
視力1.0くらいになる。両眼視の機能はさらに安定し、完成するが、眼を使わないと不安定になる可能性がある。 |
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