お子さまがノートや教科書に顔を近づけて勉強していると危険なサインの理由

お子さまが勉強する時に自分の顔をノートや教科書までギリギリまで下げて、ノートや教科書と同じ高さの視点で見ながら勉強していませんか?

 

「うちの子、ものすごくノートや教科書から目が近いのよ!」という親御様

これは、お子さまに多いいのが視機能の未発達につながっています。

なぜならばこの現象は、お子さまが将来の学習能力の向上に、問題を抱えていることを示しているからなのです。

 

物をすごく近くで見るのはなぜ?

勉強するときにノートや教科書までスレスレで視点を下げる理由は、お子さまがものを観察するときに、その対象物を注視する事がうまくできていないことを表しています。

ものをしっかり注視できないと言うことは、そのものをしっかりと観察できないと言うことです。

これはなんらかの自然科学の研究や勉強をする上で、とても大きな障害になりかねません。

近くで見るときの対処方法は?

私たち人間の目は、物を見るためにあります。

目は水晶体と呼ばれるレンズが、網膜に像を写し、その信号を視神経が脳の視覚野に送ることで、私たちは目で見たものを脳で知覚する事ができます。

このときに網膜の中心部分と周辺部分ではものの見え方が違います。

網膜の中心付近の視覚は、色彩光のトーンを詳細に感じ、物事の詳細を見ることができます。

この網膜の中心による視覚を『中心視』と呼びます。

 

中心視は、観察すべき対象に対して、それを注視し、詳細に観察するための視覚なのです。

 

それに対して網膜の周辺での視覚は、色を感じるセンサーが少なく、モノクロの平面的な画像になりますが、センサーの反応は中心視よりも早くなります。

 

これを『周辺視』と呼びます。

つまり周辺視は、詳細な観察はせず、視覚の外から何かが来たときに、素早く反応して身構えるための視覚ということになります。

 

視線をノートや本ギリギリまで下げて見るのは中心視が使えていない

 

それではノートや本ギリギリまで顔を落として勉強するお子さまは、どんな見方をしているのでしょうか?

中心視が苦手なお子さま

じつはこのタイプのお子様は、中心視を使うのが苦手なお子様なのです。

上手に中心視を使って物事を観察するためには、視点を常に正確に対象物に当てておかなくてはなりません。

 

赤ちゃんのころには、腹這いになったり、四つ這いになったり、立ち上がったり、忙しく動きながらキョロキョロ目を動かしますから、視点をしっかり合わせるのも一苦労だったのです。

この赤ちゃんの時にしっかりと腹這いして対象物を見たり、四つん這いになって対象物を見て、立ち上がって対象物を見ることを行ってことないと、

視点が中心視ができなく常にキョロキョロと周辺を見渡すことで固視ができずにいます。ひどいお子さまになると神経発達障害に結びつく傾向があります。ひどくなくてもこの中心視力ができないことで近視につながるお子さまは少なくありません。

ですから姿勢や顔の素早い動きにあわせて、正確に眼を動かして、視点を合わせる事ができないと、中心視がブレてとても見辛くなってしまいます。

ですからこのようなタイプのお子さんは、視点がブレにくい周辺視を使って物を見るクセがついてしまうのです。

周辺視をうまく使うために、視線をノートや教科書ギリギリ、ノートや本と同じ高さにもって来ることで、周辺視を使ってノートや教科書を見ているのです。

周辺視とは?

しかし周辺視は色の感覚もありませんし、詳細の観察には向きません。

ですから周辺視だけを発達させたのでは、物事の観察力が低下してしまうのです。

中心視を使ってしっかり観察できる様にする

周辺視を使うクセがついているお子様は、その眼の運動能力を高めて、しっかりと中心視を使って、物を注視する事ができる様にする必要があります。

中心視がうまく使えないお子様は、姿勢の変化と、顔の動きと、目の動きを上手に連携させる事ができないため、物を注視できないのです。

ですからこれらの能力を高めるための、姿勢制御トレーニングや、眼球運動トレーニングを行なっていきます。

またバランス感覚に関連するセンサーがある、首の周囲の筋肉のコンディショニングやトレーニングも有効です。

顔をノートや教科書ギリギリまで下げて、勉強しているお子さまは、できるだけ早く中心視でものを見るための発達トレーニングをする必要があるのです。

 

このまま放置すると近視はもちろんですが様々な問題のトリガーサインになりますので早々に改善することをお勧めします。

また、原始反射の残存も大きく考えられますのでこちらのセッションも合わせてお勧めです。

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