小学生入学前検診で視力が悪いと言われたら。要注意です!

 

 

お子さまの視力の異常は、視力の成長期間である9歳くらいまでに治療を行うことが大切です。

だからこそ、6歳台で行う就学時健診で異常を発見し、すぐに治療を始めることが必要です。

この時期に多い視力トラブルや、就学時健診での視力検査のポイント、要精密検査になった時の対処法などについて、お話しします。

お子さまの視力はどちら?

子供の視力低下で引っかかるのでも、二通りあります。

弱視でひっかかる場合と、近視でひっかかる場合です。

毎年秋になると、学校保健安全法に基づいて次の春に小学1年生となる子どもの健康診断が行われます。

これが「就学時健診」と言われており、学校での集団生活に備えることが主な目的で、内科・眼科・耳鼻咽喉科・歯科などの検査をします。

小学校入学後に黒板や教科書を不自由なく見るには、0.7の視力が必要です。視力は学習にも影響を与えるものですから、就学時健診での視力検査はとても重要です。

視力は出生後より発達し6〜8歳で完成しますが、遠視や乱視、斜視(しゃし 左右の眼が異なる方向に向いている状態)などがあると視力の発達が阻害され、「弱視」になってしまいます。

弱視とは「メガネやコンタクトをしても視力が1.0に満たない状態」で、左右の眼で度数が違う場合には片方の眼だけが弱視になってしまうこともあります。

本人の自覚症状がないためママやパパも気づかず、見逃されてしまうことが多いので注意が必要です。

 

ここで弱視の場合は、早急に対応が必要です。

見逃されてしまうと、生涯メガネになることもあります。

検診時期が視力治療のタイムリミット間近である

実は視力の治療にはタイムリミットがあります。

弱視は視力の成長期間である6〜8歳くらいまでに治療を終えていないと、治療効果が低くなり、視力の回復が見込めないことがあります。
とはいえ、8歳を過ぎたら絶対に回復できないわけではありません。

トラブルの内容や程度によっては回復が見込める場合もあります。

だからこそ視力のトラブルを早く見つけ、治療をスタートすることが大切なのです。

「要精密検査」と言われたら、とにかく早めに眼科を受診

視力検査の結果が0.7以下だった場合、眼科での精密検査をすすめられます。ここで知っておいていただきたいのが、子供は今の見え方を「当たり前と思っている」ことです。

よく、親御様は「この子は見えているという」言葉を聞きますが、これはお子様からとっては見えていると思っているだけで、実際は見えていませんが、この見え方では日常生活には支障がありません。日常生活に支障がないので見えてると思っています。

弱視の子どもは見えにくさを自覚していないことが多く、要精密検査の通知を受け取って驚くママやパパが少なくありません。
もし通知を受け取ったら、原因を知るためにも早めの受診を心がけましょう。

中にはすぐに治療しなければならない弱視が見つかるケースもあります。

今は幼稚園でも視力検査が行われる場合がありますし、3歳児健診でもご自宅で視力検査をします。

そのため、「今回は悪かったけど、前の検査では良かったからきっと大丈夫」と思って受診しない方が少なくありません。

でも、小さい子どもの視力を正確に検査するのはむずかしく、3歳の時より6歳の方が正確な診断結果である可能性が高いです。

また、眼科を受診した弱視の子どものうち、3歳児健診で見逃されていたケースが74.6%にものぼるという調査結果もあります。

「精密検査をして異常がなければ安心」と考えて、まずは受診することが大切。

検査の結果、メガネや治療が必要ならば、すぐに始めましょう。

就学時健診で弱視が発見された場合でも、すぐに治療を開始すれば小学校入学時には、かなり視力が改善するケースもあります。

逆にいうと、この時期を過ぎてしまうと改善が難しくなるのです。

あの時しっかり検査しておけば良かったと後悔しても、その時の時間は取り返せません。後悔しないためにもすぐ行動してください。

 

近年、増えている「弱視ではない近視(単純近視)」ってどういうもの?

就学時健診では、弱視ではない近視の子どもも視力の低下で要精密検査となります。

近年、近視による視力低下の低年齢化が進み、就学時健診で発見されるケースが増えていますので、どういうものか知っておきましょう。

近視とは、近くの物はよく見えるけれど遠くのものが見えづらい状態です。学校での黒板の文字や離れたテレビ画面の文字などが見えづらくなります。

原因はよく分かっていませんが、遺伝因子と環境因子が複雑にからんで起こると考えられています。

片親が近視の場合は2倍、両親が近視の場合には5倍の確立で子どもも近視になりやすいと言われています。

 

環境要因としては、近くを長時間見ることや屋外活動が少ないことの関与が示されています。

そのため同じように近くを見る作業に熱中しても、近視になる子とならない子がいます。

目を使い過ぎると必ずしも近視になるとは限りません。

弱い近視は、近くはハッキリ見えるので弱視になることはほとんどありません。

メガネをかければ遠くもよく見えますが、近視が進んで遠くが見えづらい状態になってもメガネをかけないでいると、目を細めて見るようになります。
実際は近視ではない仮性近視という場合もあります。

文部科学省が平成29年度に実施した調査によると、眼鏡やコンタクトレンズを使わない裸眼視力が「1.0未満」の割合は、小学生32.46%、中学生で56.33%という結果でした。

 

さらに「0.3未満」の小学生の割合は8.72%と年々増加していて、昭和54年と比べると3倍以上に増えています。

近視の治療は、ピントが合わない分をメガネのレンズやコンタクトレンズで矯正することが一般的です。

しかし、小学生の間にメガネをかけっぱなしにすることは、当教室では推奨しておりません。

 

なぜならば、視力が低下した根本原因が解消していないので、メガネをかけても対処療法でしかない為、どんどん近視は進行します。

まずは、「屋外活動をする」「本を読むときは明るいところで姿勢よく」「スマホやテレビなど近くを長時間見ない」「遠くを見る」など、昔から言われてきたことを実行することが重要です。

現在、近視の進行を抑える目的で、特殊なコンタクトやメガネ、目薬の研究が進んできています。

 

しかし、いまだ有効性を裏付ける十分な科学的証拠は得られていません。

弱視には「メガネ」はスムーズな回復のために欠かせないものです

弱視は、視力の治療法としてメガネを作るケースがよくあります。
親はつい「小さいうちからメガネをさせるのはかわいそう」と思いがちですが、だからと言ってメガネをさせないのは大きな間違いです。

小さいうちからメガネでしっかり矯正することで、スムーズな回復へと促せるのです。

子どもも6歳くらいになると、周りの目を気にします。

メガネをかけることを子ども自身が恥ずかしがったり、周りにからかわれて嫌がることがあります。

すると家ではかけても外や学校では外してしまい、思うような治療効果が得られないケースがあります。

子どもがメガネをネガティブなものと考えないように、ママやパパがしっかりフォローしてあげましょう。

メガネを作るときは、かけ心地が良くよく似合うメガネを作成することが大切です。

メガネ店でよく相談し、子どもの顔の形や大きさにあった子ども用メガネを選びましょう。

大人用メガネの小さいサイズを選ぶのではなく、必ず子ども用のフレームを選びましょう。

子ども用フレームはメガネがずれないように、耳の部分や鼻あてに工夫がしてあります。

フィットしていないと耳や鼻が痛くなったり、メガネがずれて正しく矯正されなくなったりします。

弱視のお子さまは、早ければ早いほどメガネをかけなくてよくなるケースもあります。

小さいうちにかけていたことで、小学校に入学するときにはメガネをかけなくても良いケースもあります。

逆に近視のお子さまは、生活習慣を確認しましょう。

目の使い方、目の発達が上手にできていない場合も当教室では少なくないです。

目を使うことは、脳にとってものすごく高度な技術になります。

発達過程で何かが上手くいっていない場合も少なくないので

必ず、確認しましょう。

 

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