神経発達専門トレナーが伝える嗅覚神経に刺激を入れて脳を活性化させる方法
神経発達障害のお子さまのトレーニングに意外と知られていないのが嗅覚トレーニング。
嗅覚はみなさんが考えているよりも重要になります。
高齢になると匂いの感覚が鈍くなったり、2020年のコロナ騒動では、嗅覚と味覚が異常になると症状として現れていました。
これらの神経と脳に嗅覚は密接に関係しており、神経発達障害のお子さまは、匂いに過敏であったり、鈍麻であったりするのは脳の嗅覚神経の配線が統合できていないからです。
嗅覚とは何か?
嗅覚とは、においを感じる感覚。
揮発性の化学物質の刺激を受けたときに生じます。
匂いを処理する脳の嗅覚野は、感情に関する部位(扁桃体)や記憶に関する部位(海馬)、複数の感覚に関する部位(前頭眼窩野)といった脳の他の部位とつながっています。
つまり、これらのつながりを通して、人間の嗅覚システムは記憶や感情への「スーパーハイウェイ」のようなものを形成しています。
匂い情報は、そういった脳のさまざまな部位によって解釈され、思考や感情、行動という形の反応を呼び起こします。
嗅覚を鍛えるのはなぜ良いのか?
先ほどもお話しした、匂いを処理する脳の嗅覚野は、感情に関する部位(扁桃体)や記憶に関する部位(海馬)、複数の感覚に関する部位(前頭眼窩野)といった脳の他の部位とつながっています。
この脳の部位につながっているのが神経になります。
そして、嗅覚野の嗅覚神経を鍛えることで、他の悩と神経も向上します。
これを脳の汎化作用と言います。
汎化作用とは、脳の中には非常に複雑なネットワークが存在しており、様々な能力が互いに連携を取りながら、知覚や判断、行動を行っています。
人間の脳細胞の数(約140億個)は決まっており、脳の活性とは脳細脳内のネットワークを円滑に機能させることを意味します。
脳内のネットワークは繁密かつ複雑に絡み合っていることから、ひとつの能力が活性化するとそれに連なる他の能力も連鎖的に活性化します。この働きを汎化作用と呼びます。
これにより、嗅覚・視覚・聴覚・触覚・味覚の五感を向上します。もちろん五感以外の脳自体の向上を図るので嗅覚を鍛えることは大きなメリットが得られるのです。
嗅覚を鍛える方法
様々なメリットが得られる嗅覚トレーニング
では、どのように嗅覚を鍛えれば良いのか?
実はそんなに難しいことはしません。
日常生活で、食べ物や草花など、身の回りのにおいを「何のにおいか意識しながら」嗅ぐだけ!
においセンサー(嗅神経細胞)の数が増え、脳内回路のネットワークが強まると考えられているんです。
例えば、キッチンで「これはリンゴだな」と思いながら、嗅ぐ。
食事の時「みそ汁のおいしいにおい」と思いながら嗅ぐ。
仕事の合間にも「コーヒーのいい香り」と思いながら嗅ぐ。
習慣づけていれば嗅覚低下の予防になりますし、一度衰えても、嗅覚が回復することが期待されているんです!
もちろん、嗅覚の研究はまだまだ未解明の部分がたくさん。
まずは、身近なもののにおいを意識することで、日々の暮らしが一段と彩り豊かになることを楽しんでいただければ幸いです!
その中でも、お子さまとにおいゲームなどで遊びとして取り入れるのもお子さまには大変良いです。
また、アロマテラピーを利用するのも良いでしょう。